勝手に映画評論 NO.87 [映画]

本年度アカデミー賞で、作品賞を獲得した【オッペンハイマー】を鑑賞しました。

第二次世界大戦、冷戦、赤狩りー

時代の波に翻弄された天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落。

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物語は、1926年、J・ロバート・オッペンハイマーは、イギリスのケンブリッジ大学で

実験物理学を専攻していた。

敬愛する容員教授のニールス・ボーアに勧められ、ドイツへ渡って理論物理学を学ぶことに。

そこで才能を開花させたオッペンハイマーは、博士号を取得してアメリカへ帰国。

カリフォルニア大学バークレー校で教鞭を執るようになる。

また、同大学の准教授で、社交的な物理学者のアーネスト・ローレンスと意気投合する。

1936年、オッペンハイマーは家主が開いた集会で共産党員のジーン・タトロックと出会い、

彼女と恋に落ちる。聡明ながらも奔放なジーンとは長く続かなかったが、

その後出会った時既婚者の植物学者の"キティ”(キャサリン)と、結婚。

ふたりの間には子どもも生まれ、幸せな家庭を築いてゆく。

1941年、FBIはオッペンハイマーの捜査を開始。

1942年、オッペンハイマーは「マンハッタン計画」の最高責任者である陸軍の

レズリー・グローヴスから、原子爆弾開発に関する極秘プロジェクトへの参加を打診される。

この前年、アメリカは第二次世界大戦に参戦。

ナチスドイツによる原子爆弾の開発が、もはや時間の問題だと見られていたのだ。

オッペンハイマーは参加を快諾し、優秀な科学者たちを全米から招聘。

ニューメキシコ州にロスアラモス研究所を建設して、彼らを家族ごと移住させた。

それは国家の存亡をかけた核開発競争の始まりだった。

1945年、ナチスの降伏後、今度は日本を降伏させるための武器として、

原子爆弾の研究が続けられていた。この国家プロジェクトは、

1945年7月に行った「トリニティ実験」でついに成功を収める。

計画の成功を喜んだのも束の間、8月に広島、長崎へ実際に原爆が投下されると、

その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。

そして、戦後。戦争を終結させた立役者として称賛されるオッペンハイマーだったが、

時代は冷戦に突入。アメリカ政府はさらなる威力を持つ水爆の開発を推進していくのだった。

ルイス・ストローズによりプリンストン高等研究所の所長に抜擢され、

また原子力委員会のアドバイザーとなったオッペンハイマーは核開発競争の加速を懸念し、

水爆開発に反対の姿勢をとったことで次第に追い詰められてゆく。

1950年代、赤狩りの嵐の中、彼の人生は大きく変わっていくのだった。


我々日本人にとって忘れられない原爆投下。

決して許してはいけない人物だが、オッペンハイマーも時代と

その時の政府による被害者なのだろう。

この物語を決して美化する事は無いだろうが、彼の苦悩は理解ができる。

決して、二度と原爆が使われないことを切に願う。

映画の作品としては、とても素晴らしかった。

オッペンハイマー役のキリアン・マーフィーの演技も秀逸だった。

是非、映画館で観て欲しい。


映画って本当に面白いですね[わーい(嬉しい顔)]

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